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クレームメールにはどう対応し、返信すべきか?【メール文例付き】

2018年10月25日

クレームメールへの対応方法はあらかじめ考えておく必要がある

顧客対応窓口として、メールフォームなどを設けている企業やショップも多いでしょう。このような場合、メールを利用したクレームが来ることはあらかじめ想定できる事態です。電話をかけるよりも気軽に送れる上に、時間の制限もないことから、「電話するほどではないけれど」というクレームをメールで送ってくる顧客もいるかもしれません。

そのため、企業のメール担当者は、あらかじめクレームメールに対して、どのような対応をすべきなのかを知っておく必要があります。クレームが来た場合に、いちいち場当たり的な対応をしているようでは効率が悪く、対応に差が出てしまう可能性もあるからです。

「面倒くさい」「嫌だな」と思わず、適切な対処をするためにも、改めて対応方法について確認しておきましょう。

まずは送信者の意図を知ろう

クレーマーという言葉もあるとおり、クレームメールの中には、「クレームをつけるためにメールを送っているのでは」と思えるような場合も散見されます。

しかし、どれほど理不尽であったとしても、メールを送るというアクションを起こした背景には、何らかの「送信者にとって不愉快なこと」が起こった可能性が高いといえるでしょう。

クレームメールは、基本的に「不愉快を感じたことを理解してもらった上で謝罪してほしい」という意図で送られてくるものです。そのため、ただ単純に今後の対応だけを書いてしまうと、相手によりいっそう不快感を与える原因になりかねません。

例えば、「通信販売で購入した服のサイズが注文と違っていた」というクレームに対して、「そのサイズは売り切れているので、全額返金いたします。商品はそちらで処分して構いません」というメールを送られてきたらどうでしょうか。多くの方が、「失礼なショップだ」と感じてしまうと思います。

購入者にとって、返金されれば、金銭的損失はありませんし、返送の手間をかけられることもありません。しかし、この返信では、自分の非を認め、相手の被害や不満に寄り添う姿勢がないのです。

クレームメールへの対応では、まず、相手に不快な思いをさせたことを謝罪し、こちらでできる対応について提案していくことが大切です。

「クレーム対応」というと、ついつい、返金や交換といった物理的な解決策について考えてしまいがちです。もちろん、そうした対応も必要ですが、そればかりが前面に出てしまうと、「物やお金で問題を解決しようとしている」ととられてしまうおそれがあります。

まずは、相手の怒りの原因を知って、それについて誠意をもって謝罪するようにしてください。

この場合は、「ショップの手違いで間違えたサイズを送ってしまったこと」と、「希望のサイズが売り切れてしまっていて用意することができないこと」について謝罪する必要があるでしょう。

クレームメールへの返信で気を付けるべきこと

クレームメールへ返信をするときは、次の3つのポイントを押さえておきましょう。

1 素早い対応をする

クレームメールへの対応は、素早く行う必要があります。クレームメールを送ってくる人は、何かに不満を抱いているわけですから、そこでさらに何日も放置されると、ますます怒りが募ってしまいます。

「ぞんざいに扱われている」「軽く考えられている」と思わせないためにも、メール返信は素早く行う必要があるでしょう。

とはいえ、常に即座に返答ができる内容のクレームばかりとは限りません。

そのような場合は、ひとまず「メールを受け付けました」という内容の返信をしておくことも効果的です。社内で確認して、◯日以内に改めて連絡します、ということを伝えておけば、相手が「放っておかれている」という気持ちを抱くことを防げるでしょう。

また、クレームメールは深夜に送られてくることもあります。このような場合に備えて、自動返信システムを使って、連絡しておくのもいいでしょう。内容は事務的になってしまいますが、メールを受け取った旨を伝えることができるので、一定の安心感を与えることは可能です。

2 表現に気を付ける

メールでのやりとりの場合、文面だけで相手に感情を伝える必要があります。対面の場合は、表情や仕草、電話の場合でも声のトーンや話し方によって、表現をやわらげたり、相手にニュアンスを伝えたりすることができます。

しかし、メールはそうではありません。手書きでもない、パソコンで入力された文字だけのやりとりというのは、機械的で、感情を伝えづらいものです。十分丁寧に伝えているつもりでも、相手にとっては「ぶしつけで失礼な対応だ」と思われてしまう可能性があるということを覚えておきましょう。

そのため、メールでクレームへの謝罪や対応を行う際は、電話や対面以上に、表現に気を配る必要があるのです。

例えば、対応方法を提示する場合も、「代わりの物を送ります。手元にある物はそちらで処分してください」と書くのではなく、「代わりのお品物をお送りいたしますので、お受け取りいただけますか。お手元の商品は、お手数ですがそちらでご処分ください」と書くことで、表現をやわらげることができます。

「お手数ですが」といったクッション言葉を付け加えるテクニックなどを使いこなせるようにしておきましょう。

3 メール送信者のステータスを確認する

メールを返信する前に、相手がどのような人物なのかを確認する必要があります。
何度もショップを利用しているリピーターなのか、それとも初めて連絡をしてきた相手なのかによっても、書くべき言葉は変わってきます。

また、以前にもクレームメールを送ってきたことがある相手の場合は、そのときの対応方法やクレーム内容についても、あらかじめ把握しておかなければ、新たな火種にもなりかねません。

相手のメールアドレスや文面に書かれた情報、名前などを基に相手の情報を確認し、それに応じたメールを書くようにしてください。特に、以前にもクレームメールを送ってきたことがある相手は、「また不快な思いをさせられた」という思いを強く抱いている可能性があります。十分注意して対応しましょう。

社内でのルールを決める

クレームに対してどのような対応をとるのかは、状況によって異なります。
しかし、どのような場合にどういう対応をするのかは、あらかじめ決めておかなければいけません。そうしないと、受け付けた人によって、対応が変わってしまうことになるからです。

さらに大切なのが、「どこまで対応するか」について、はっきり線引きをしておくことです。クレームメールを送ってくる人の中には、こちらが対応策を提示しても満足してくれず、さらに過大な要求をしてくる人もいるかもしれません。

そのようなときに、どこまで対応できるのかが決まっていないと、曖昧な返答になって対応が長引いたり、不当な要求を飲まされてしまったりするリスクが出てきます。

一度相手の要求を飲んでしまうと、「あのときはこうしてくれた」という既成事実ができてしまいます。会社にとって、顧客に満足してもらうのはとても大切なことですが、そのために会社の利益にならない選択をすることがあってはいけません。

もちろん、こちらに非のあることに対するフォローはしっかりする必要があります。しかし、それ以外の部分については、きっぱり断ることも必要なのです。

クレームの内容を把握できない場合は、電話などで対処する

クレームメールを送った人は、大抵非常に怒っています。そのため、冷静さを欠いた文面であったり、いろいろな不満が並べ立てられていて、結局何が問題であったのかがはっきりしなかったりといったケースもあります。メール上でやりとりをしても、らちが明かないことも珍しくないでしょう。

このような場合に、クレームの内容をきちんと把握できていないまま謝罪してしまうと、相手を余計怒らせたり、こちらに非がないことへの対応を求められたりしかねません。

そのため、内容がわからない場合は、「詳細な状況をお伺いしたいため、電話でお話をお聞かせください」として、電話での聞き取りに誘導しましょう。都合のいい時間帯を聞いて、こちらから電話をする旨をメールで伝えて、日時の指定をしてもらうようにしてください。

また、チャットツールを用意しているショップの場合は、チャットでやりとりをするのもおすすめです。具体的な内容の聞き取りができ、ログも保存しやすいためです。

まずは内容を把握した後に、しかるべき対応をとることが大切です。

クレームに対してメールを返信する

クレームメールに対する返信メールの文例をご紹介します。店舗スタッフの態度が悪かったというクレームが来たという想定です。

<クレーム対応メール文例>

件名:
■■の件につきまして

本文:
●●様

平素は格別のお引き立てを賜り、心より御礼申し上げます。
株式会社△△の▲▲と申します。

先日は、弊社◯◯店に足をお運びくださり、誠にありがとうございました。
その際、担当させていただいた者の言動に問題があり、
ご不快な思いをされたとのこと、誠に申し訳ございません。

ご指摘の点について、当該社員にお客様のお声を伝え、厳重な注意を行いました。
今後、このようなことがないよう、社員教育にいっそうの力を入れていく所存です。

どうか今後とも変わらぬお引き立てのほど、よろしくお願い申し上げます。

クレームへの対応によって顧客獲得につながることも

企業やショップにとって、「厄介なもの」と思われることも多いクレームメールですが、対処法を間違えなければ、今後につなげることもできます。一番問題なのは、クレームをつけずにそのまま離れていってしまう顧客が多数出ることです。

クレームメールが来たということは、ショップや企業の問題点を知るきっかけになるということですから、その場の謝罪に利用するだけでなく、今後の経営にも積極的に活かしてください。

また、顧客や見込み顧客側から、連絡してくれているわけですから、適切な対応をとったり、相手の誤解を解いて不満を解消したりすることができれば、より大きな信頼を勝ち取ることも可能です。
クレームメールをうまく利用して、企業やショップの発展につなげていきましょう。

監修:中村裕美子(なかむらゆみこ)

NPO法人日本サービスマナー協会認定マナー講師。
大学卒業後、客室乗務員として国内航空会社、アジア系航空会社で勤務。現在はマナー講師として各種研修を担当し、TOEIC対策をはじめとする英語教育にも携わる。さまざまな国籍の人と接した経験を活かし、「相手を思いやり、お互いの違いを認める」コミュニケーションやマナーの重要性を説く。