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cc、bccの使い方とbccの一斉送信のリスク

2018年9月19日

「to」「cc」「bcc」の使い分け、本当に理解していますか?

仕事をする上で、メールはなくてはならないものです。しかし、その使い方となると、実はよくわかっていないという人もいるかと思います。もらったメールに返信することはできても、いざ新規メールを送ろうとすると、「どの宛先欄を使ったらいいのかわからない!」ということはありませんか?

メールの宛先欄には、「to」「cc」「bcc」の3つがあります。それぞれの使い分け方や、間違えて使ってしまった場合のリスクについて、知識を身に付けておきましょう。

「to」「cc」「bcc」のそれぞれの機能について

メールには、「送り主」と「送り先」が必ずいます。この「送り先」のメールアドレスを入力する欄には、「to」「cc」「bcc」の3つがあります。

それでは、あるメールをAさんに送りたいとき、Aさんのメールアドレスはどこに入力するのが正しいのでしょうか?

実は、どれを選んだ場合でも、Aさんにメールを届けることは可能です(ただし、「to」を設定しないと「cc」や「bcc」が使えないメールサービスもあります)。これら3つは、すべて「宛先」を示すものですが、付随する機能が違うということを覚えておきましょう。

「to」とは

「to」は、メインの宛先となるメールアドレスを入れる場所です。メール本文に、「◯◯様」と相手の名前を入れるかと思いますが、この相手は「to」に入ります。

「to」にメールアドレスを入れる相手は、「このメールに対して返信を求める人」や、「メインでやりとりをする人」だと考えておきましょう。

なお、「to」に複数の人のメールアドレスを入れることも可能ですが、誰が返信すればいいのかわからなくなるため、その場合は、誰にどうしてほしいのかを記載するよう注意してください。

「cc」とは

「cc」は、「Carbon Copy(カーボンコピー)」の略です。これは、複数枚の紙に文字を転写するのに使われる「カーボン紙」が名前の由来です。メインでやりとりをするわけではないものの、メールの経緯を見ておいてほしい人のメールアドレスを「cc」に入れます。

例えば、直属の上司や同じチームのメンバーのほか、仕事を引き継いでいる途中で、これまでの担当者にやりとりを見せておきたい場合などは、「cc」が適しているでしょう。

なお、「cc」に誰を設定しているのかは、メールを受け取った人全員が見られます。

「bcc」とは

「bcc」は、「Blind Carbon Copy(ブラインドカーボンコピー)」の略です。「cc」と似ていますが、「bcc」には、「ほかの人からはメールアドレスが見えない」という特徴があります。

そのため、「Aさんに送ったメールの内容をBさんと共有しておきたいけれど、AさんにBさんのことは伝えたくない」という場合などに適しています。

「cc」はどういうときに使うのか

「cc」の使い方を、さらに詳しく見てみましょう。
「cc」は、メールが相手に届き、届いた相手全員が「cc」に入れたメールアドレスが見られるという点では、「to」と同様です。

しかし、実際の意味合いは大きく異なります。「to」が「メールの宛先」であるのに対し、「cc」は「メールの内容を知らせておきたい、共有したい人」に対して使います。

例えば、取引先のAさんとのやりとりについて、チーム全員に自動配信されるグループメールのメールアドレスを「cc」に入れたとします。

この場合、メールはあくまでもAさんに対する内容で、返信をするのもAさんです。しかし、「Aさんとこういう話を進めている」ということについては、チームメンバーと共有することができるのです。

ただし、「cc」に設定したメールアドレスは、メールを受け取った全員から見えてしまいます。そのため、やりとりを共有していることを知らせたくない人のメールアドレスは設定してはいけません。

特に、他社のメールアドレスを「to」と「cc」に入れる場合は、情報漏洩にならないよう十分注意が必要です。「同じプロジェクトを行っていて互いに面識があり、やりとりを共有することに同意を得ている」といったケースを除き、控えたほうがいいでしょう。

なお、「to」に取引先の技術担当者、「cc」に営業担当者を入れるというように、お客様を「to」と「cc」に設定する場合は、メールの本文の最初に書く宛先(◯◯様、toに入れた人)の後に、「cc:△△様」と名前を入れるケースがあります。
こうすると、やりとりを誰と共有しているのかがわかりやすくなり、親切です。

「bcc」はどういうときに使うのか

「bcc」は、先ほどご説明したとおり、メールを共有していることを知られたくないときに使うものです。ビジネス上での利用頻度が高いのは、取引先への一斉送信メールなどでしょう。

夏季休暇のお知らせを出すとき、取引会社宛に1通1通メールを出すのはたいへんです。取引先のメールアドレスをすべて「bcc」に設定して送信すれば、一度にすべての相手にメールを送ることができる上に、メールを送られた各企業からは、ほかの企業の情報が見えないため、情報漏洩の心配もありません。

「bcc」で一斉送信する場合のリスクか

「bcc」は、相手に不要な情報をもらさずに一斉送信ができる非常に便利な機能です。ところが、むやみに利用すると思わぬトラブルとなるおそれもあります。安心して「bcc」を使うためにも、どのような問題が起こりうるのか知っておきましょう。

メールアドレスの宛先欄を間違えるリスク

「bcc」を正しく使えば、受け取った方がほかの人のメールアドレスを見ることはできません。

しかし、アドレス帳から「to」や「cc」「bcc」を選択したり、メールアドレスを入力したりするのは、人間が一つひとつ手作業で行うことです。
どれほど注意深く行っていても、人的ミスをゼロにすることはできないでしょう。

実際に、政府や大手企業でも、「to」と「bcc」の使い分けを誤って情報漏洩させてしまうといった問題が起こっています。「bcc」を利用するときは、間違いがないかどうか、十分な確認が必要です。

セキュリティの問題でメールがブロックされるリスク

「bcc」で送ったメールは、相手からブロックされてしまうおそれがあります。これは、「bcc」のメールが広告メールやスパムメールにしばしば使われているためです。

相手側の企業が受け取りを拒否しているわけではなくても、受信する側のプロバイダなどが「大量に同じメールが送られているから、スパムに違いない」と判断すると、メールがはじかれてしまう可能性があるのです。

このようなときは、「メールが送れませんでした」というエラーメッセージが戻ってくるはずです。「bcc」でまとめてメールを送った後は、「MAILER-DAEMON」からメールが送られていたり、「failure notice」といった件名のエラーメールが届いていたりしないか確認しましょう。

「bcc」をセールスレターに利用するリスク

「休業のお知らせ」や「事務所移転のお知らせ」など、時折「bcc」を使うというだけなら、人的ミスにさえ気を付ければ、それほど大きな問題は起こらないでしょう。

しかし、複数の顧客やユーザーに対して、定期的に大量のセールスレターやメールマガジンを「bcc」を使って送っていると、キャリアやプロバイダから「このIPアドレスは迷惑メール業者だ」と判断されてしまうリスクが出てきます。

このような事態に陥ると、「bcc」だけでなく、通常のメールまでブロックされてしまうおそれがあります。

むやみに「bcc」を使ってメールを送信し続けていると、人的リスクも高まります。原則として、メールは本当に必要な相手にだけ送るようにしましょう。

「to」「cc」「bcc」を使い分けてメールのやりとりをスムーズに

「to」「cc」「bcc」は、それぞれ異なる意味合いを持っています。なんとなく利用するのではなく、正しい使い方をするようにしましょう。そうすることで、メールのやりとりをよりスムーズで安全なものにできるはずです。

情報セキュリティに対する意識が高まっている昨今、改めて基本に立ち返り、メールの送り方についても振り返ってみてはいかがでしょうか。

監修:上田由佳子(うえだゆかこ)

NPO法人日本サービスマナー協会認定マナー講師。
日本料理店や大手和食割烹居酒屋チェーンでの勤務、ショットバーの経営といった実務経験に基づき、スタッフとお客様の両方に寄り添ったマナー研修を心掛けている。縁を大切に、笑顔あふれるおもてなしができる接客マナーをはじめ、ビジネスマナー、電話応対マナーなどが専門。