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急なクレームに対する電話対応術

2017年8月3日

突然のクレーム電話。まずは心情を理解する

クレーム電話を受けた際、第一にすべきなのは「相手の心情を理解すること」です。その際「自分は当事者ではないから」といった態度ではなく、組織の代表として対応することが大切です。「私は関係ない」という態度は、クレームを大きくしてしまいます。

相手の心情を理解するために、まずはしっかりと話を聴いてください。最低でも3分は相手の話に共感しましょう。そうすることにより、顧客は徐々に気持ちを静めていくことができます。

なお、電話で共感を示すには、ご迷惑、ご心配をおかけしてしまったという事実に対して、明確に言葉にしてお詫びの気持ちを伝えることが大切です。

事実確認が重要。苦情の内容を把握する

クレーム対応の電話は「なるべく迅速に解決させたい」という感情が湧きがちですが、そういった焦りの気持ちは自然と相手にも伝わってしまいます。慌てずに、「何が問題になっているか」「相手のご要望は何か」を落ち着いて確認することが重要です。

クレーム解決のための7つの確認事項

心情の確認

何に対して不満を感じているのか

対象の確認

誰が不満に感じているのか

現象の確認

何が起こったのか

時間の確認

いつトラブルが発生したのか

場所の確認

どこでトラブルが発生したのか

原因の確認

問題点は何なのか

対応の確認

どのような対応を望んでいるのか

何度も同じ質問をすることのないよう、上記7つのポイントに整理して、話を聞いていきます。重要な事項に限り「この内容でお間違いないでしょうか?」などと再確認を行いましょう。この一言は「こちらの言い分が理解されている」という安心感を相手に持たせる効果もあり、信頼関係の構築に繋がります。

言ってはいけないNGワード

クレームの電話中、顧客はさまざまな事柄に対して不満を抱きやすい心理状態になっています。対応者の言動にも敏感になっており、ふとした一言が火に油を注ぎかねません。

そもそも、顧客と自分の“常識”や“判断”は異なっているものです。その点を考慮せずに、「自分たちは〇〇するのが当然」「あなたの考えは間違っている」という態度で臨むと、さらにクレームが大きくなってしまいます。相手の気持ちを逆なでしないよう注意深く質問を投げかけて事実確認を行いましょう。

5つのNGワード

否定の言葉

「しかし」「ですが」「でも、それは」などで始まる一言

供給者の論理

「会社の規則です」「法令で決まっています」など

断言する言葉

「絶対に」「確実に」といった強い印象を与える一言

業界用語や専門用語

相手が理解できない可能性のある表現

決めつけの言葉

「通常の使用では発生いたしません」など

また、電話のやり取りでは、こちらの表情や姿は相手から見ることができません。丁寧に話を聞いているこちらの姿勢を相手に伝えるために、声に出して相槌を打つようにしましょう。あまりに大げさすぎると相手の言葉を遮ることになりかねませんので、話のペースや間に合わせてタイミングを見計らうことも大切です。

状況に合わせた誠意ある謝罪

顧客からの信頼回復に努めることが、クレーム対応を行ううえで最も大切です。自社に非がある場合は、素直に認めて深くお詫びをし、相手が何を望んでいるのか、またそれに対して自社としては何ができるのかという解決策を考えていきます。自分が決定権を持つ範囲内で最大限の誠意を見せましょう。

ただし、自分で判断できない場合には、勝手に顧客に回答をしてはいけません。必ず「担当の〇〇より改めてご連絡差し上げます」など、組織としての次の行動をお伝えして、電話を切るようにしましょう。

電話を切る際は、再び今回の出来事について不便をおかけしたことを、丁寧にお詫びすることも忘れてはいけません。顧客に「しっかりと対応してくれた」と感じてもらえれば上出来です。

さらにクレーム対応後も業務知識の不足など、対応中に至らなかった部分を洗い出し、他の関係者と共有するなど、次に同じようなクレームが発生しないように備えましょう。

クレームはCSの宝庫

顧客の「不満」をどうすれば解消できるかを考えることが、CS推進の始まりです。不満解消に努めることにより、顧客満足度を高めるだけではなく、現場の業務改善にもつなげることができます。

つまり、クレームの内容には、自社の業務改善に繋がるヒントが散りばめられているということです。自社にとって重要なアドバイスをもらっていると感謝の気持ちを抱き、「貴重なご意見ありがとうございました」とお礼の言葉を伝えるようにしましょう。

クレームに対して前向きに捉えることができれば、急なクレームの電話にも萎縮せずに対応することができます。さらに、こちらが前向きに応対していることは顧客にも伝わるものです。そうした心の持ちようが、顧客満足度の向上にも結びついていきます。

監修者:百瀬康倫

株式会社インソース企画開発本部長。同志社大学卒業後、損害保険会社を経て大手外食チェーンにて赤字店舗の建て直しを担当。グループ全600店舗中、対前年売上伸び率全国1位の実績を残す。マネージャーとして店長や社員の育成に携わった後、株式会社インソースに入社。現在は研修コンテンツの開発を行う。リーダーシップや部下指導の研修などに定評あり。