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メールによるクレーム対応の手法

2017年10月4日

文面でのクレーム対応の難しさ

メールでも、対面でも基本的なクレームの対応方法は変わりません。

ただし、メールだと相手の声色や表情が分からないため、相手の意図、感情はほとんど読み取れないという難しさがあります。そのため、クレーム対応において重要な「心情理解」や「相手が本当にしてほしいことは何か(真のニーズ)」がわかりにくいのです。

対応は素早く。交渉経緯を共有する

クレーム対応は遅くなるほど、顧客の不満は膨らんでいくものです。特にメールの場合は、返事がないことに対して顧客の不安がつのることから、対応への要求速度が早くなる傾向にあります。24時間以内には必ず返信し、迅速な対応が難しい場合には「大変申し訳ございませんが、回答は後日させていただきます」といった一報を必ず返信するようにしましょう。

メールを返信する前には、これまでに同じ顧客と何かやり取りがなかったのか、過去の履歴などをチェックすることが大切です。どのような経緯で問題が発生したのかをスピーディに判断するためには、普段から顧客情報を自社内で共有しておく必要もあるでしょう。それにより、顧客と自社とのこれまでのやり取りや、クレームに至ったいきさつをもとに、対応方法を検討することが可能になります。

クレーム対応メールの文例

クレームに対するメールでの対応は、顧客からすれば「反応が冷たい」「対応が雑ではないか?」などと感じられるものです。対面や電話の場合より、こちらからの感謝や誠意の気持ちも伝わりにくくなります。

メールで対応をする場合には、顧客の心情を理解していることや、こちらの誠意が伝わるように言葉を尽くしているかどうかを確認しましょう。少し過剰と思われるぐらいでちょうどいいです。

もちろん顧客に事実は事実として確実に伝える必要があります。
「こういう理由で○○が発生いたしました」
「現在、弊社ではこういう対応になっております」
というように合理的、客観的に表現し、個人の解釈が入らないようにしましょう。

クレーム対応のメール例

顧客からのクレームメールの内容

1年前に導入した製品に故障が多発。
修理を行ってもすぐに再発し、その度に多額の修理費を支払っている。
御社の品質方針を聞かせていただきたい。

クレームメールへの返信内容

件名

製品不具合に関するお詫び

本文

[顧客の社名]
[顧客部署名と役職]
[顧客名]様

平素は格別のお引き立てを賜り厚く御礼申し上げます。
株式会社◯◯◯◯◯◯◯の山田と申します。

この度は弊社へご連絡いただきまして、
また弊社商品をご利用いただき誠にありがとうございます。

まずは弊社製品の不具合により
[顧客名]様に大変ご不便をおかけしておりますことを
深くお詫び申し上げます。

本件につきましては至急、品質管理部にて対応検討の上、
ご回答させていただきますので、お時間を頂戴できれば幸甚です。

大変お忙しい中とは存じますが、
[顧客名]様には一両日のお時間を賜りますようお願い申し上げます。

なお本件のご回答に関して、
品質管理部の担当者より[顧客名]様へ直接ご連絡させていただく場合がございます。
予めご承知おきくださいますようお願い申し上げます。

この度は、誠に申し訳ございませんでした。
今後とも弊社をお引き立ていただけますよう何卒お願い申し上げます。

[署名]


自社に非がないと思われる場合でも「ご心配をおかけしたこと」に対するお詫びをし、「顧客の申し出は不当なものである」とこちらが考えているような印象を、相手に与える文章は避けましょう。

関係者とあらためてチェックをする

対面や電話でのクレームとは異なり、メールの場合は同僚や上司と相談する時間があります。こちらの責任を回避するような言い訳がましい表現はないか、強い主張が含まれていないか、そして本当に解決につながる内容なのか、十分に協議をしましょう。

送信前に見直すポイント

・きちんと顧客への感謝の気持ちを表しているか
・顧客が何に困っているのか理解を示す言葉は含まれているか
・顧客の気分を害したことに対して謝罪は行っているか
・一方的に自社の主張が書き連ねられていないか
・誤字脱字、稚拙な表現はないか
・誠意を尽くしている文章に感じられるか

誤字脱字がないか確認するため、一度はプリントアウトし、声に出して内容を読み上げるとミスに気づきやすくなります。またメールの内容は裁判の証拠にもなるため、自社に法務担当部署があるようなら書面チェックを受けてから送るようにしましょう。

普段からの心構えが不可欠

謝罪のメールを送っても、その内容に行動が伴っていなければ、後々大きな問題に発展しかねません。クレーム内容をレポートにまとめて関係者全員で共有するなど、二度と同様のクレームを発生させないために社内体制の強化に努めましょう。

またこちら側に非がなかったとしても、顧客からのクレームは社内の商品、サービス、サポートに何か不備はないか、あらためて考え直すきっかけにもなります。マイナスの要素をいかにプラスにできるのか、反省だけでなく建設的な思考を広げて自分や会社の成長に結びつけましょう。

監修者:百瀬康倫

株式会社インソース企画開発本部長。同志社大学卒業後、損害保険会社を経て大手外食チェーンにて赤字店舗の建て直しを担当。グループ全600店舗中、対前年売上伸び率全国1位の実績を残す。マネージャーとして店長や社員の育成に携わった後、株式会社インソースに入社。現在は研修コンテンツの開発を行う。リーダーシップや部下指導の研修などに定評あり。